自由と平和な表現活動支援団体WART設立趣意書
2021年2月1日、ミャンマーで国軍がクーデターを起こしました。そして、反発する民衆に軍は武力による制圧を行い続けています。
既に1,016人(2021年8月25日現在、AAPP発表)の武器を持たない一般市民が軍により殺され、今も増え続けています。
しかし、軍は国営放送を使い「2021年4月6日までのデモ抗議者の死亡者は248人である(2021年4月7日掲載)」と伝えました。同じ日のAAPP発表によるデモ抗議者の死亡者数は、581人に上っています。
民間報道機関8社の活動許可がはく奪され、現在国内においては国営放送以外のメディアは報道できず、情報統制がしかれています。
ミャンマー国軍を支援する国でも人権を無視した権力を傘に行われている行為(新疆ウイグル自治区における人権侵害など)が続いています。
武力や権力をもって一般人の命や財産や未来が奪われている世界でいいのでしょうか?
これまで日本とミャンマーは教育、文化、経済など多方面において交流が活発でした。政府開発援助(ODA)等を通じて対ミャンマー支援が行われてきましたが、「漫画」を介しての交流はいままで無いに等しいです。
今、ミャンマーにおいては、漫画やイラストが投稿されていたサイトが削除されたり、作家や記者、俳優やモデル、日本人ジャーナリストも拘束されたりして、文化や社会的情勢の実態を世の中に伝えることができなくなっています。
2018年ミャンマーにおける漫画調査を行ったところ、多くの若者が日本の漫画やアニメに影響を受け、独自にコスプレやイベントを自主開催し、独学で流暢な日本語を話せる人も多くいました。そういう彼らも今レジスタンス活動を行い、自分たちが安心して自由に表現できる未来を勝ち取ろうと戦っています。
私たちは、あらゆる戦争と侵略の政策、あらゆる民族支配に反対し、すべての人々が身体的、精神的、社会的、経済的に豊かな生活を送るため「言論・表現の自由・若者の未来」を漫画・イラスト・講演・論文などの表現を用い、世界の平和の確立に寄与することを目的とする、自由と平和な表現活動を支援する団体「WART」を設立します。
2021年8月26日